御影石とは火成岩である深成岩の一種で、花崗岩の通称である。
…といったような記述が辞書やネット検索すると出てくると思います。これは正しい説明なのですが、優しい説明ではありません。
専門用語を調べようとしたら新たに専門用語が三つ出てくる。本末転倒です。
ここではこの一文をわかりやすく解説していきます。
正式名称は御影石ではない?
まず、御影石とは自然石の種類を表す言葉です。
名前の由来は、兵庫県の御影という地名からとられています。
この御影という場所から採れる石が、日本では最も有名だったので御影石と呼ばれるようになったようです。
御影石は身近なところだと、お墓の墓石や、キッチンや手洗い場の天板としても使われている馴染み深い石です。
が、しかし学術的な区分では、「御影石」という石の種類は存在しません。
御影石というのはあくまで通称なのです。
チャッ〇マンや、バン〇エイドのように、一般的に広く認知されている名前と正式名称が違うということが
御影石にも起こっているのです。(ちなみに、前者は点火棒、後者は絆創膏が正式名称らしいです)
では、御影石の正式名称(≒学術名)は何というのでしょうか?
これが、「花崗岩」と言います。
冒頭にでてきた専門用語ですね。
そう、御影石は花崗岩なんです。
本当は花崗岩という名前が正しいのだけれど、一般的には御影石と呼ばれているということです。
ちなみに英語ではGranit(グラニット)と言います。ごくまれに、御影石や花崗岩ではなく、グラニットと呼ぶ方も
おられるので、その時は、ああ御影石のことを指しているんだなと思っていただければ大丈夫です。
御影石≒花崗岩、というところまで理解していただけたところで
次は花崗岩とは何なのか、という話に移っていきます。
花崗岩とは何か
冒頭では花崗岩とは深成岩の一種、だと説明しています。深成岩にはいくつか種類があって、その中の一つが花崗岩だよ、ということです。
では深成岩とは何か。
まず文字を見てみましょう。
深い
成る
岩
と書きますね。
その言葉の通り、読んで字のごとく
深成岩とは「深いところ」で「岩」に「成った」ものなんです。
「深いところ」ってどこなのと思われるはずです。
ズバリ言います。
火山です。
火山の奥深くで岩に成ったものを深成岩と呼ぶのです。
ここでまた一つ新たな疑問が生じると思われます。
「何が岩になったのか」という疑問です。
想像してみてください。火山の火口の奥深くには何がありますか?
そうマグマです。たぎるような灼熱のマグマです。
石になったマグマのことを火成岩と言います。(火≒マグマが岩に成った)
マグマが石になる、というのは想像に難くないと思われます。
ハワイのニュースでも冷えたマグマが黒い石の塊のようになっている映像を見られた方は多いはず。
ただ、この場合の石は火山岩といい、御影石とは似ても似つかない別の石です。
御影石(≒花崗岩≒深成岩)は、火山の奥深くでマグマがゆっくりと、長い年月をかけて冷えて固まったものです。
人類の歴史など遥かに超える長い長い時間をかけて、とんでもなく強い圧力をかけられて出来上がったため
御影石は硬い石となっています。
ここまでをまとめると、
火山のマグマが岩になったものを「火成岩」といい、
その中でも火山の奥深くで時間をかけ出来上がった岩を「深成岩」と言います。
結局御影石とは何なのか?
長かった解説ももう少しでおしまいです。もう一度、冒頭の文章を振り返ってみます。
御影石とは火成岩である深成岩の一種で、花崗岩の通称である。
用語をおさらいです。
御影石:花崗岩の別名
花崗岩:深成岩という枠組みの中の一つ
深成岩:火山奥深くでマグマが岩に成ったもの
火成岩:マグマが岩になったもの
これを冒頭の文章に置き換えます。
御影石とは花崗岩の別名で、花崗岩とはマグマが岩になったもののうち、火山奥深くで出来上がったもののことである。
回りくどくてわかりにくいので意訳します。
御影石とは、マグマが火山奥深くで冷えて固まった石のことである。
正式名称は花崗岩だが、一般的には御影石と呼ばれる。
要は、御影石はもともとマグマだった、ということでも問題ないです。
以上、これで御影石の概要について説明を終わります。
御影石の様々な種類や特徴については、後日書きたいと思います。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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