「御影石って色々ありますけど、一番比重の大きい(≒密度の高い)ものって何ですか?」
一口に御影石といっても、その中には様々な石種があります。
使用場所や好みによってたくさんの選択肢があるのが御影石の良いところです。
比重(密度)に関しても石種によって当然違います。
お問合せ頂いたお客様はオーディオボードとしての使用を検討されていました。
オーディオボード用の石材はなるべく比重が大きい方が音質を向上させるということで比重は非常に重要であるそう。
結論から申し上げますと、
当店が扱うもので比重が最も大きい影石はG-342 山西黒という黒御影です。
お客様にはその旨お伝えし、山西黒の40cmサイズをお買い上げいただきました。
御影石の比重に関して説明しているところはあまりなかったので、今回は御影石の石種による比重の違い。また比重と密度の違いについて説明していきます。
目次[非表示]
比重と密度の違い
結論から実生活において(数字上)、比重=密度という認識でも何の支障もありません。
ですが、言葉としては少し異なるところなので、簡単に説明します。
定義としては以下のようなものです。
比重とは「同じ体積の基準物質に対し何倍の重さなのか」
密度とは「単位体積あたりの重さがどれくらいなのか」
まだよくわかりにくいですよね。かみ砕いていきます。
比重とは「比較した重さ」
比較するということは基準のものが存在するということです。
じゃあその基準にするものって何という話です。
それは水です。
重さ、に関して言えばほとんどのものが真水を基準にしています。
なぜならありふれた存在で簡単に入手できるものだからです。
砂とかを基準にされたら、砂といっても様々な種類がありますが、水は一つだけですよね。ゆえに水はすべての重さの基準なんです。
1立方メートルの水の重さを1トンとし、そこからkg,gと定めていったわけです。
つまり比重とは同じ体積の水に対してどれくらい重いのか、ということを表す尺度です。
1cm四方の立方体があり、その重さが3gだとします。
水の重さは1g/㎤なので、その場合の比重は3になります。
計算式:3g/㎤(物質の重さ)÷1g/㎤(基準である水の重さ)=3(比重)
これ、重要なので記事の終わりまで覚えておいてください。
ちなみに、比重が1より小さいと水に浮きます。1より大きいと沈みます。
うんちくなのでここから下は読まなくても問題ありません。
すべての重さの基準と書きましたが、実はアメリカなどで使われるポンドは違います。
今日本やヨーロッパで使用されているキログラムなどの単位はフランス革命時に考案されたメートル法が基準となっています。
が、ややこしいことにアメリカなど一部の国ではこのメートル法を採用していません。
アメリカ基準の尺度をヤード・ポンド法といいます。
この数字はゴルフとかアメフト、ボーリングで出てきますね。
密度とは「単位体積あたりの重さ」
密度もその名の通り、どれくらい密かということです。
最近「密」という言葉をよく聞くのでイメージしやすいと思います。
問題になる三密は、人がどれぐらい密接になっているかということですが、密度の場合はその分子がどれぐらい密かということを示します。
物質の成分がどれだけ詰まっているかを示すのが密度です。
密度が高ければ高いほど、ぎゅっと詰まっていて、低ければ低いほどすっかすかというわけです。
密度の計算方法は、重さをその物質の体積で割って出します。ここに1cm四方の立方体があり、その重さが3gだとすると、その密度は
3g(重さ)÷1㎤(体積)=3g/㎤(密度)となります。
密度と比重は実感ベースでは同じ
ここで混乱された方がいるかもしれません。
比重も密度も同じでは?と
厳密にいうと、単位が違います。
比重は~倍、で密度はg/㎤です。
が、その基準となる水の密度が1g/㎤なので、見かけ上の数字はどちらも同じになるんです。
なのでよくわからなくても問題ないです。
密度と比重は同じと考えてもらって困ることはそう訪れないでしょう・・・
御影石の密度について 石種による違い
今回は以下の5つの石種を対象に実際に重さをはかって密度を計算してみたいと思います。
G-342 山西黒
G-381 グリーン
G-603 白御影
G-562 中国ガパオ
G-684 黒御影
皆さんはどれが一番密度が高いと思いますか?(一番は山西黒です)
密度の計算式は、物質の重さ÷物質の体積でした。
今回使用するのはすべて10cmx10cmx1.3cm(厚)のものなので
重さを10x10x1.3=130(㎤)で割っていけば密度が出ます。
重さは394g
というわけで密度は394(g)÷130(㎤)=3.03(g/㎤)
水の約3倍重いということです。
水に入れたら沈みます。
G-381 グリーン
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G-381 グリーン |
重さは385g
というわけで密度は385(g)÷130(㎤)=2.96(g/㎤)
山西黒よりは少し密度が低いですね。
これも水に入れたら沈みます。
G-603 白御影
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G-603 白御影 |
重さは329g
というわけで密度は329(g)÷130(㎤)=2.53(g/㎤)
だんだん軽くなってきました。
ですがこれも水に入れたら沈みます。
G-562 赤御影
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G-562 赤御影 |
重さは322g
というわけで密度は322(g)÷130(㎤)=2.46(g/㎤)
さらに軽くなってきました。
ですがこれも(以下略)
G-684 黒御影
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G-684 黒御影 |
重さは378g
というわけで密度は378(g)÷130(㎤)=2.91(g/㎤)
黒なのに、グリーンより軽い(すこしだけ)
これは意外でした
密度ランキング
以下のような結果になりました。
1位:G-342 山西黒
2位:G-381 グリーン
3位:G-684 黒御影
4位:G-603 白御影
5位:G-562 赤御影
ネットで検索したところ、上記と同じ結果だったので安心しました。
白より赤の方が軽いというのは意外な気がします。
山西黒が一番比重高いというのは明白なので、オーディオボードを購入検討されている方は山西黒を購入検討されるのがよろしいかと思います!
色々な石材を見てみたい!という方は、こちらよりご覧いただけます。
補足
今回の比重をもとに計算していただいても、カタログ表記の重さとは異なっていることがほとんどです。
実際の重さは若干ことなるのですが、そこまで大きな差とはならないので管理上の観点からサイズごとに同一の重さを定めているのがほとんどです。
ですので、比重が違うのに重さが同じなんてけしからん!とは思わないで寛容に受け止めていただけると幸いです。
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