御影石(花崗岩)の日本と外国での認識の違いについて「wikipediaで比較」してみた

2020年5月28日木曜日

御影石 石解説

t f B! P L
御影石の分類学上の名前は花崗岩といいますが、英語ではグラニット(グラナイト)と言います。
グラニットの綴りはGraniteで、中国産の御影石の名前がG-〇〇〇というのは英語名の頭文字からとられています。

御影石はアジア圏になじみ深く、大理石は西洋世界に親しまれているというイメージがあるのではないでしょうか?

ヨーロッパでも御影石は採れるのですが、主としては北欧圏で、彫刻や教会に使われている大理石に対しては影が薄く、こういったイメージがあるのは不思議ではないと思います。

そんな御影石(花崗岩)について、日本と英語圏でどのような認識の違いがあるかを調べてみようと思いました。
比較するにあたって、最も比較しやすい文献として今回はWikipediaから引用していきたいと思います。
混乱を避けるために、以下では花崗岩と呼び名を統一します。

引用元
(「花崗岩」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2020年5月15日 (金) 06:15 UTC)
(「Granite」『Wikipedia The Free Encyclopedia English』on 29 April 2020,at 00:34 UTC)

御影石についての記事はこちら


Wikipedia日本語版と英語版の違い

意外な項目

まず両者を見比べて驚くのが項目数の違いです。
日本語版は全部で11項目しかないのですが、
英語版では全13項目あります。

花崗岩=西洋ではマイナーというのは誤解かもしれません

交互に項目を見比べていくと、日本版には無く、
英語版のみあるオリジナルの項目が。

Rock climbing
ロッククライミング、という項目は予想していませんでした。
以下、一部抜粋です。
"Granite is one of the rocks most prized by climbers, for its steepness, soundness, crack systems, and friction."
御影石 花崗岩
花崗岩の山
直訳すると
「花崗岩は、急峻さ、頑丈さ、亀裂の入り方、摩擦具合の点から、クライマーからの評価が高い岩石の一つである」

以降の記述を読んでいく感じだと、どうやらクライマーに人気のある花崗岩でできた山がいくつかあるみたいで、それについての記事のようです。

あと、英語版独特の記述としては
Industry(産業)の項目に以下のような記述があります。
"Granite and related marble industries are considered one of the oldest industries in the world, existing as far back as Ancient Egypt.[26]
Major modern exporters of granite include China, India, Italy, Brazil, Canada, Germany, Sweden, Spain and the United States.[27]"
古代エジプトでも花崗岩が使用されていて、大理石に負けないくらいの歴史があるみたいです。

石材としての使用について

日本版の記述では、
"日本では古くから石材として使用されてきた。石の鳥居石垣石橋に用いられるほか、道標三角点水準点の標石にも用いられてきた。近代の建造物の例としては国会議事堂の外装に国産の花崗岩(広島県倉橋島産「議院石」、山口県黒髪島産「徳山石(黒髪石)」、新潟県産「草水みかげ」)が使われている[4]。"
と国産の使用例について簡単に述べられています。

一方英語版では、古代と現代、それぞれの時代の使用例について記述があります。
古代の使用例については
"The Great Pyramid of Giza (c. 2580 BC) contains a huge granite sarcophagus fashioned of "Red Aswan Granite". The mostly ruined Black Pyramid dating from the reign of Amenemhat III once had a polished granite pyramidion or capstone, which is now on display in the main hall of the Egyptian Museum in Cairo (see Dahshur). "
"Imperial Roman granite was quarried mainly in Egypt, and also in Turkey, and on the islands of Elba and Giglio. Granite became "an integral part of the Roman language of monumental architecture"."
などというように、あの有名なピラミッドに使用されていたり、古代ローマ帝国でも使われていたみたいです。
産出地はエジプトやトルコが有名だったみたいですね。

現代の使用については
"In some areas, granite is used for gravestones and memorials. "
と、日本と同じように墓石としての使用例があるようです。
石の特性の記事でもふれたように、御影石は石材の中では耐候性が高いので、永年使用される墓碑などに向いているんですね。

他にも、ビルの床材や、駅舎など、有名どころでいうとカーリングストーンなどにも使用されていると記述されています。

結論

記述量としては英語版の方が豊富でした。
Wikipediaを参考にする限りでは花崗岩(御影石)は洋の東西を問わず、古くから使用されている歴史のある石材ということがわかります。
ちなみに、花崗岩は地球外の惑星にはほとんど存在しないそうで、
その理由としては花崗岩の生成過程に水を必要とするからだそうです。

そう考えると今では身近な石でも特別なものに思えてきますね。
Wikipediaの記事は一部引用なので、興味を持たれた方は実際の記事で関連項目などをご覧になってください。

この文章は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0の下で公表されたウィキペディア日本語版の項目『花崗岩』/ウィキペディア英語版『Granite』内の文章を利用して記述しています。 この文章は、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0の下、二次利用できます。

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